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ホルベイン専門家用顔料とその素材


フレスコについて

フレスコ(Fresco) の意味:
漆喰の壁に彩色する画法のことをいう。
フレスコとはイタリア語で〈新鮮〉を意味し、英語のフレッシュ(Fresh) にあたる。
一般に美術用語として壁画やその技法を指している。

1) 湿式画法(真正フレスコ、アフレスコ Affresco)

消石灰(Ca(OH)2) と砂を混ぜ、壁をつくるが、この時、消石灰が炭酸ガス(CO2) を吸って、水を空気中に放出していく過程で、水で溶いた顔料で描いていくと、水は一旦壁に吸い込まれるが、やがて、空気中に放出され、顔料だけが壁体にしみ込むような状態でとり残される。その結果顔料は無色透明な石灰層で履われてしまい、これが顔料を保護し、堅牢性の高い画面ができる。

2) 乾式画法(セッコ)
乾いてしまった壁に石灰で溶いた顔料で描く方法である。古代フレスコはこの湿式、乾式を併用したものが多い。

3) 転 置
漆喰壁に描いた作品を壁から剥離して、別のパネル、画布等に移勒させることで、仕上がりプラスターの部分からはぎとるやり方をスタッコ(Stacco) と言い、絵具層のみをはがすやり方をストラッポ(Strappo) という。


ミニフレスコ画の描き方

パネルに石灰モルタルを下塗り、上塗りの2回に分けて塗り、上塗りの表面に描画します。
制作に必要な日数は2日で、連統した2日間でもよいし、何日か日をあけてもよい。

1) 石灰モルタル作り

用意するもの: パネル(F6)、石灰、砂、計量カップ(180ml)、洗面器、ナイロンブラシ

  • 洗面器に計量カッブ2杯(360 ml) ずつの砂と石灰を入れてよく混ぜ合せる。
  • 計量カップ半分(90 ml) の目盛り分だけの水を加えて、コテで混ぜ合わせる。
  • もう一度計量カップ半分(90 ml) の水を少しずつ加えながらよく混ぜ合せる。
    モルタルの硬さは手でにぎって団子状にできる位が適当である。


2) 下塗り:パネルを安定した平面に置く。下に新聞紙などを敷いて置くとよい。

  • まず水を含ませたタワシでパネルを湿らせる。5分後もう一度湿らせる。
  • コテで少量のモルタルをとってパネルの周囲から塗っていく、一度に厚く塗らないで薄くのばしながら全体に平均して塗るようにする。塗りにくい場合は、パネルをもう一度温らせながら塗ってもよい。
  • 塗り終ったら、5~ 10 分後にナイロンブラシでたてよこ交差するよう節目を入れる。


3) 上塗り:上塗りは下塗りの翌日でも、何日かあけてからでもよい。

  • 下塗りした面を、下塗りの時と同じ要領で水で湿らせる。下塗りから日が経過し、乾き過ぎている場合は更に1~2時間放置する。
  • 壁(モルタル) に手をあてて見て、石灰の白が手についてこない位まで乾くと描き始めてよい。


4) 描 画

用意するもの: 筆、顔料、バケツ、パレット

  • まず顔科を必要なだけ水に溶き、パレットの凹部に用意する。(顔料の追加はホルベインアーチスト・ピグメントの内○印の顔料からお選びください。)
  • 描き始めは、壁(モルタル) が軟かいので、軟かめの筆を使ってゆっくり丁寧に描く。
  • 同じ所ばかり描き続けないで、全体的に色を置いていくようにする。
  • 混色や塗り重ねは自由にできる。絵具の吸い込みがよくなれば、自分の好きな描き方でよいが、慣れるまでなるべく丁寧に描く方がよい結果が生まれる。
  • 大体5~6時間は描き続けられるが、絵具の吸い込みが悪くなり始めたら、なるべく早く描き終えるようにする。
  • 描き終えたら、自然乾燥にまかせておく、壁が乾くことによって色調がどのように変化し、最終的にはどのように落ちつくかを見ておけば次に描く時の参考になる。

以上がフレスコ画の初歩になります。下記の書籍を参考にしてください。

フレスコ画・テンペラ画 参考書籍

  1. 大野彩著「岩波アクティブ新書・フレスコ画への招待」 岩波書店(2003)
  2. 三野哲二著「フレスコ画の技法―知識と制作のすすめ」 日貿出版社(1998)
  3. 佐藤一郎監訳、ダニエル・トンプソン著 「トンプソン教授のテンペラ画の実技」 三好企画(2005)
  4. 辻茂編訳、石原靖夫、望月一史訳 「チェンニーノ・チェンニーニ絵画術の書」 岩波書店(1991)
  5. 森田恒之著「画材の博物誌」 中央公論美術出版(1986)
  6. ホルベイン工業技術部編「絵画材料ハンドブック」 中央公論美術出版(1991)
  7. ホルベイン工業技術部編「絵具の科学」 中央公論美術出版(1990)
  8. ホルベイン工業技術部編「絵具の事典」 中央公論美術出版(1997)

 

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